ZACKY's Laboratory 山崎 進 研究室 Page Topへ

挫折リスクを減らせ!〜志高い社会人の学習法

学習を進めるときに, 高い理想や目標を掲げることは良いことですが,高すぎると自分が苦しくなります。とくに社会人が自らの意思で学習しようという時には意識レベルが高いので,しばしば「眼高手低」に陥りがちです。眼高手低と呼んでいるのは,社会人が学習する時には,やりたいことの想像ばかりが膨らみ,その一方で絶対的に学習時間が足りないので思うように成果があげられず,自分では「もっとできるはず」と強く思うあまり,モチベーションが急速にしぼんでしまうという状況です。この現象,私自身も経験があります。自分でハードルを極端に上げてしまって,自分の決意にがんじがらめになってしまうのですよね。

この場合は,次の3つがポイントです。

  1. 極端に高すぎない,ちょっとだけ背伸びした目標を掲げること: 目標は高すぎても低すぎてもダメです。自分が無理なくできることのちょっとだけ上のレベルを目指すのがポイントです。
  2. 「できたこと」「よかったこと」「楽しかったこと」に目を向けること: できなかったことに目が行くとどうしてもモチベーションが下がります。KPT でいうと P:Problem よりも K:Keep に力点を置く感じです。
  3. 自分の不出来や失敗を許容すること: 2と似たような理由です。新しいことを始めるとどうしてもうまくいかないことが多いです。それ自体は問題ではないのですが,社会人にはなまじ仕事での成功体験があるだけに,不出来や失敗を許容できないマインドになりがちです。自分の不出来や失敗を許すマインドじゃないと新しいことはできないですね。

経験学習入門には次のようにまとめられています。

「経験学習」入門

「経験学習」入門

1.ストレッチ: 問題意識を持って,新規性のある課題に取り組む

2.リフレクション: 行為を振り返り,知識・スキルを身につけ修正する

3.エンジョイメント: 仕事のやりがいや意義を見つける

先ほど述べたことは,次のように対応しています。

  • ちょっとだけ背伸びした目標を掲げること
    • ストレッチに対応
  • 「できたこと」「よかったこと」「楽しかったこと」に目を向けること
    • エンジョイメントに対応
  • 自分の不出来や失敗を許容すること
    • ストレッチエンジョイメントの両方に対応

関連として田原真人さんによる「21世紀マインドセット」旧名称は「物理学習マインドセット」を紹介します。物理と銘打っていますが,分野を問わず新しいことを学ぼうとしている人みなさんにオススメします。

21世紀マインドセット

21世紀マインドセット

社会人の学習で大事なことは「習慣化」

自由に使える時間が慢性的に不足している社会人の場合,新しいことを始めるためには,要らないものをやめること,新しいことが定着するまで辛抱強く続けることが大事です。すなわち「習慣」の問題になります。

習慣を変えるのに効くのが,スタンフォードの自分を変える教室です。

スタンフォードの自分を変える教室

スタンフォードの自分を変える教室

この本については,以前,こんな記事を書きました。

惰丸(ダマル)日記 第1章〜「スタンフォードの自分を変える教室」を実践してみた

<< ソフトウェア設計・同演習で大失敗!! 究極の学びは研究にあり>>