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回り道の人生を歩まないために,自分のビジョンとミッションを定義しよう

人生訓「なりふり構わず一所懸命にやれば必ず道は開ける。ただし,とんでもない回り道かもしれないが」を語ろうと思えばいくらでも語れるのだが,そろそろオチを書いておこう。

回り道をしなくて済むようになったのは,倉貫義人さんから教えを頂いてからである。

倉貫さんのことは Twitter でブログを知って以来,ずっとファンだった。そこへ2012年の JaSST 九州@鹿児島で倉貫さんをお呼びしようという話になったのである。倉貫さんは「ソフトウェアテストはアウェイだし」という感じで消極的だったのだが,ブログのファンであり当時 JaSST 九州のプログラム委員長的立場だった私が熱烈ラブコールを送って,倉貫さんに承諾していただいた。JaSST九州@鹿児島は大成功に終わった。

翌日の昼に倉貫さんとチャットをしていて私が教育ビジネスを始めることに強い興味がある話になったところ,倉貫さんからその話を具体的に進めましょうという話になった。じゃあ次いつ会えますか,半年くらい先ですね,いや待てよ,まだホテルにいらっしゃいますよね?じゃあこれから昼食でも食べながらお話ししましょう,みたいな展開になって,鹿児島で一番のそば屋にお連れして教育ビジネスへの熱意を切々と語った。それ以来,倉貫さんにメンターになっていただき,教育ビジネスの具体化を進めていったのである。

私が受けた倉貫さんの教えを要約すると次のようになる。

「新規ビジネスでまず一番最初に必要となるのは,そのビジネスを何としても興そうという起業家の情熱である」

「誰のどんな困りごとをどう解決するのか。この問いに答えることがビジネスモデルの核となる」

「自分のビジョン(=未来の姿)とミッション(=存在意義)を定義すると,ビジネスモデルの指針になるし,何より人生に前向きになれる」

3つ目については,倉貫さんの次のブログ記事を参照するといい。

ビジョンとミッションの大切さ 〜 ミッションの気付きとビジョンの見つけかた http://kuranuki.sonicgarden.jp/2014/09/vision_mission.html

3年に渡って教育ビジネスを模索した結果,残念ながら私の考案した数々の教育ビジネスはいずれも事業性がないという結果に終わった。しかし,私の手元には3年にわたって練り上げたビジョンとミッションが残った。今はビジョンとミッションを次のようにプロフィールとして書いている。

北九州市立大学でプログラミングを教えています。「自ら学ぶ力を持たせる」「個性に合わせて長所を伸ばす」「現実社会の問題解決の経験を積ませる」教育を広めることがミッションです。創意工夫にあふれた社会にしたいです。

このあたりの経緯は次のブログ記事にまとめた。

プロフィールにビジョンとミッションをこめて http://zacky1972.github.io/blog/2015/04/05/vision-mission.html

自分のビジョンとミッションを定義したことで,私は戦略性を身につけた。戦略性を身につけるというのは言い換えれば,自分のすることの優先順位を明確に付けられるようになったということである。そして,たとえ一見ただの雑用に見えるような仕事であっても,自分のビジョンとミッションに照らし合わせて意義を見出し意欲的に取り組めるようになった。さらに,私のそういう仕事ぶりが評価され,私のビジョンとミッションに直接つながるような仕事が舞い込み続けるようになった。自分のビジョンとミッションを意識するようになると,本当に世界が違って見えるのだ!

私の30代までの人生は「なりふり構わず一所懸命にやれば必ず道は開ける。ただし,とんでもない回り道かもしれないが」という言葉に要約できるような人生だった。回り道は必ずしも悪いことではなかった。教師という仕事をする上では,このような回り道を経て実に多様な経験を積んだことで,語る言葉に厚みができた。とくにキャリア指導で活かせた。

しかし,この回り道に10年20年30年の時間を費やしてしまったことで,私が残りの人生において積み上げることができる成果がそう高くないものに限定されてしまったのは事実である。回り道にそれなりの多大な意義はあったのだけど,あまりにも多くの時間を費やしすぎたのだ。

なので,私は学生たち・仲間たちができるだけ早い段階で自分のビジョンとミッションに気づけるようにすること,それが私のミッションであると意識するようになった。早く自分のビジョンとミッションに気づけば,それだけ高みを目指せるだけの時間が得られる。何より人生が豊かになる。

私はそういう教師であろうと心に決めたのだ。

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