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学習意欲に火をつけよう! 〜ARCS モデル

一口に学習意欲に火をつけるといっても,何が原因で学習意欲を損ねているのかによって,対処方法を変える必要があります。

ARCS モデルは学習意欲の4つの類型を表すモデルです。

  • A: 注意 Attention 目新しいことには学習意欲が湧く
  • R: 関連性 Relevance 自分の身近なことや将来に関連づけられると学習意欲が湧く
  • C: 自信 Confidence やってみてできるようになったことは自信がついて学習意欲が湧く
  • S: 満足 Satisfaction やって満足したことは次もやってみようと思い学習意欲が湧く

ARCS モデルについて学びたい方は,まず次の教材をお試しください。

さあ ARCS モデルを学ぼう!

大事なことは,どの点で学習意欲が湧かないのかを見極めることです。やみくもにARCSモデルの4つ全ての学習意欲を高めようとするのはやり過ぎです。それを常態化してしまうと,より強い刺激を受けないと意欲を感じなくなってしまいますからね。

学習者が ARCS どれを刺激するといいかを見極めるにはアンケートを用いるのが一般的です。

アンケートの取り方の参考例〜ARCSモデルに基づく改善方略ガイドブックについて

さらに ARCS モデルについて深く学びたいとき,さらにどう授業づくりに活かせばいいか知りたいときには次の書籍をどうぞ。

学習意欲をデザインする―ARCSモデルによるインストラクショナルデザイン

学習意欲をデザインする―ARCSモデルによるインストラクショナルデザイン

学習意欲に関する Facebook グループが立ち上がりました。

学習意欲に火をつけるコンテンツ紹介

学習意欲についてお悩みの方はご相談ください。

Q&A

Q1

Q. ARCSモデルでの質問です。個別、もしくは少人数であればどの点かを見極めるのは可能だとは思いますが、多人数の講義形式では学生間の理解度・習熟度や興味関心の差から、うまくどの点か1つに絞れないかもしれません。そういう場合にはどうすれば良いのでしょうか? 〜Twitter

A. 単純に一番大きい要因から手を打てば良いんじゃないでしょうか。授業のどの部分に問題があるかの分析と合わせて行えば,どういう手を打つべきかは絞れると思います。

Q2

Q. 最近、会社の新人教育を担当しています。 仕事をする上で(ある意味義務的に)必要とされるスキルを、いかに興味を持たせて教えるかにすごく難しさを感じています。 Attentionをクリアするための、山崎先生のコツ・技みたいなものってお持ちですか? 〜Facebook

A. まず「本当に Attention(注意)が問題なんですか?」という疑問があります。仕事で必要なスキルであれば,Relevance(関連性) すなわち学習者の仕事に直結することを訴えれば動機付けできるかと思うのですが,どうなんでしょうか?

さて,新人が Attention を求めているという状況だということは,新人はずっと研修漬け,とくに座学ばかりなんじゃないかと想像します。 ならば,そもそもそういう状況を改善する必要があると思います。座学で研修するのではなく,演習を主体にしてみるとか,たとえば PBL(Project-Based Learning) つまり何かのプロジェクトを遂行する中で学ばせるような研修にしてみるとか,そんなところじゃないでしょうか。

演習主体の研修にするならば,教材設計マニュアルを参考にするといいです。

どうしても座学で Attention を刺激したいというのであれば,変化させるのが基本です。たとえば,参加意識を高める意味も込めて,問いを投げかけて挙手させる,発言させるという手はどうでしょう。

Q3

Q. 何が「学習意欲」何だろう? 「学習」自体が目的なのだろうか? 会社で、例えば「オブジェクト指向」だったり「テスト駆動」だったりを調べたりすることに興味が特に無いって人でも、その人がやっているゲームの攻略なんかには、自分で色々とトライしたり、ネットで調べたり、攻略本まで買ったりする訳で。果たして彼は、何に学習意欲が高くて、何に学習意欲が低いと言うのか。 私の興味の方向としては、同じ技術を習得するなら修得コストを下げることとか、その技術自体に興味を持って貰うにはどうしたら良いのかということに有ります。 会社の中なんかでは、そこでの仕事に役立つ事項に対する学習意欲が低いということは、その仕事自体への興味が低いということで、学習意欲とは別なのかもと思う今日この頃です。 〜Facebook

A. おっしゃるように学習意欲には次の2つの側面があるように思います。

  • 学習の対象に対する関心・意欲
  • 学習スキル,学習そのものへの関心・意欲

例に挙がっている人は,前者は低いが後者は高い例だと考えられます。また,前者は技術自体に興味を持ってもらうことに,後者は修得コストを下げることにつながります。ARCS のうちの特に関連性は「学習の対象に対する関心・意欲」を扱っています。ARCS の他の要素は,前者・後者両方の可能性がありますね。

後者についてインストラクショナル・デザインでは,ARCSモデルのような学習意欲の問題として捉えるよりは,認知的方略(学び方)の問題として捉えるのが一般的みたいです。認知的方略と学習意欲の関係について研究してみると面白いかもしれませんね。

過去の発言

この記事は次の過去の発言をもとに再構成しました。

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