山崎進研究室紹介2026
2026年度の学部研究室配属に先立ち、研究室紹介2026を公開します。
はじめに
山崎進研究室は、情報システム工学科の中では、ソフトウェアの研究室として認識されていると思います。
2026年度の研究室紹介は、肩の力を抜いて、Q&Aっぽくしていこうと思います。
Q. 研究の進め方(個人プレーかチームか、指導スタイルなど)
10年くらい前に、山崎進研究室の学生から言われたことですが「山崎進研究室は、チームではなくて、集団だ」とのこと。 この言葉は割と本質を突いていて、山崎進研究室では、学生同士が連携して1つの目標に向かって研究するということはほとんどなくて、学生1人1人がテーマを持つというスタイルです。 研究室の指導も、指導教員 vs 学生個人、というのを研究室の人数分やるというような感じです。 研究室でSlackを使っていますが、指導教員と学生の個人が繋がれるチャットがあれば、なんでもいいんじゃないかという気にもなっています。
指導教員と学生の1対1になる局面が多いので、ハラスメントにならないようにというのには本当に気を配っています。
そうすると気になるのが、「1人で頑張らないと卒業できないのでは?」というところが不安になってくるんじゃないかと思います。
実際、私は学生の卒業論文に1行たりとも代筆しません。コメントはしますが、卒業論文そのまま載せられるような形で記述することはまずないです。 卒業論文を出すことができなかったら、卒業研究の単位を認定することはできませんので、頑張らないと卒業できない、は事実の一端を捉えています。
でも、山崎進研究室では、毎週毎週少しずつ卒業研究を進めていく指導スタイルをとっています。無理なく自分のペースで進められるようにするというのが研究指導の方針です。 それはなぜかというと、私が学生時代に、研究に寝食を忘れて没頭しすぎて体を壊してしまったことの反省からです。
学部3年生第2学期の実験Ⅳで、研究を進める上で押さえなければならない大事なポイントを教科書を読みながら学び、それに基づいて、少しずつ少しずつ研究テーマを温めていくように進めます。
なので、「1人で頑張らないと卒業できないのは事実だけど、無理なく頑張れるようなスタイルだから大丈夫だよ」というメッセージになります。
そして、指導教員の山崎進は、コミュニケーション駆動型の人間なので、定期的に学生に声をかけますので、放置することはないです。
毎週の進捗報告が重たいのでは?と思うかもしれませんが、山崎進研究室のゼミは極めて短時間で終わるのが常です。簡潔な報告をして、次のアクションを決めて、そのサイクルを細かく回します。
Q. どんな知識やスキルが身につくの? そんなにユルかったら、身につかないんじゃない?
卒業研究のテーマは、基本的に学生が学びたいことを軸に考えます。 時間をかけて学びたいことがあるのであれば、ある程度の予算の範囲で、研究費で関連書籍を購入して貸与しますよ。 また、新しいことを学ぶにはどのようにしたら効率的か、というのも、教育工学的な観点で指導します。 PCやRaspberryPi等を使う環境もそこそこ整っています。 書籍の数は北九州市立大学の研究室でダントツで一番だそうです。
もし、それがユルすぎるので自分には向かない、と思うのであれば、ガンガン教えてもらえる研究室を選ぶのが上策と思います。
Q. プログラミングがあまり得意じゃなくても大丈夫?
もし、プログラミングをするのが苦痛でたまらない、というのであれば、山崎進研究室を選ぶのはやめた方が良いと思います。 別に得意でなくても良いと思います。苦痛でさえなければ。
プログラミングを習得するということになると、時間をかけることが一番大事じゃないかなと思っています。 どのような時間のかけ方をすれば上達しやすいか、という点については、ある程度教えることができます。 たとえば学部3年生第1学期のソフトウェア設計論で読んでいる達人プログラマー。 授業でも言ったように、この本は経験の浅い人が独学で学ぶには難しい本ですが、 今まで経験してきたプログラミング経験をふりかえってみると、実はこの本で言っていることに当てはまることが多くあります。 単に言葉が難解なので、それに気づけないだけです。 そのナビゲーションを指導教員はできます。
研究室に山ほどある書籍のどの本を読むと、今、自分が直面している問題の解決のヒントになるか その「引き出し」を指導教員は豊富に持っています。
また、最近はAIでプログラミングをすることもできます。 AIで的確にプログラミングをするのは、自分でプログラミングするのとはまた違うスキルがいると実感しています。 AIに書籍を紹介してもらうという使い方もできます。
AIにどのような問いを立てたら、問題解決に至るか、というヒントも、指導教員から教わることができます。
Q. 途中で研究テーマを変えることはできますか?
バンバン変えてOKです。 学部4年生の9月くらいまでに方向性が定まれば、大きな問題なく卒業研究を進めることができます。
ただし、これは「それまで何もしなくてもいい」という意味ではありません。 むしろ、いろいろ試して、うまくいかない経験も含めて試行錯誤していることが前提です。
そうした積み重ねがあるからこそ、9月くらいにテーマが固まっても、その後スムーズに研究を進めることができます。
Q. 研究がうまくいかなかったときでも卒業できますか?
どういう状態が「研究がうまくいく」なのか?ということを逆に問いたいです。
最初に立てた計画通りに、狙い通りの結果が得られること?
いえいえ、研究というものはそんなものではありません。
研究がうまくいくかどうかは、「思い通りの結果が出るか」ではなく、「試行錯誤を通じて何を学び、どう次に活かしているか」がポイントです。 思い通りの結果が出なかった時に、「それはなぜ?」と掘り下げてみると、案外真理が眠っているのかもしれませんよ。
山崎進研究室では、その想定も込みで、早め早めからじっくりと研究を進めるというスタイルにしているのです。 毎週毎週着実に積み上げていくのであれば、たとえ1回の実験がうまくいかなかったとしても、1週間手戻りするだけです。 1年間かけての一発勝負じゃないのです。
Q. 卒業単位認定の基準は?
大きく2つあります。
- 研究のプロセスに則っていること
- 指導教員の指導のもとで卒業論文を自分で執筆し提出すること
それが具体的にどのようなものなのかは、実験Ⅳで丁寧に説明・指導します。
Q. 研究室に配属される前に、何か準備しておいた方がいいことはありますか?
そうですね、「自分は将来何者になりたいのか?」ということを、この機会にじっくりと考えてみるのはどうでしょうか?
たとえば、どんな分野に興味があるのか、どんな仕事をしてみたいのか、自分は何をしているときに面白いと感じるのか、といったことを整理してみると良いと思います。 人の話を聞いてみるのも良いでしょう。じっくり読書をしてみるのも良いでしょう。
研究室インタビューをしてみるのも良いでしょう。皆さんの大先輩で、研究室配属にあたって、全ての研究室にインタビューして、ここだ!という研究室に決めた、という人もいますよ。
Q. 進先生は、どんな研究をしているの?
やっとその質問が出ましたね。
私が興味があるのは、コンピュータやソフトウェアの「仕組み」です。 そこから発展して、どうやったら速く計算できるのかというのに興味があります。
ちなみに、同じように、「ビジネス」の仕組みにも興味があります。 どうやったら、意義や価値のある活動を持続して大成できるかというのに興味があります。
どちらについても、似たような興味がある人と話がしたいです。
Q. 具体的には、どんな卒業研究テーマがありますか?
これは、学生の興味や状況によってかなり変わります。
山崎進研究室では、最初から完成されたテーマを渡して、それをこなしてもらうというより、「その人が何に興味を持っているのか」「どんなことなら時間をかけて考え続けられそうか」を見ながら、テーマを一緒に育てていくことが多いです。
参考までに、GEEKK向け山崎進研究室紹介2025-2026という記事を書いたので読んでください。
Q. AIを使って卒業研究を進めてもいいですか?
山崎進研究室では2025年度から卒業研究・特別研究(大学院博士前期課程の修士論文の研究のこと)に、AIを取り入れています。
けっしてAIに研究を丸投げするのではなく、AIに伴走支援してもらいながら、より良い研究を追求していくというような研究指導を試行錯誤しながら進めています。 最近では、AI for Scienceということが言われています。まさにそのような研究の進め方をしているところです。
具体的な方法については、情報システム工学実験Ⅳでじっくり指導します。
Q. 授業での教員の印象や相性感は、研究室配属の参考にして良いの?
YesともNoとも言えると思います。2つ理由があります。
1つは、北九州市立大学の情報システム工学科の場合ですが、教員の担当する授業科目と、研究室で研究していることや関心事が必ずしも一致しない場合があるからです。
たとえば私の場合、ソフトウェア関連の科目を担当しているので、ソフトウェアが専門と認識されていると思いますが、最近の関心事はソフトウェアというよりは、半導体設計です。
他の教員でもそういうことはあるんじゃないかなと思いますよ。
もう1つは、大学教員というものは、授業の時に見せる顔と、研究室で見せる顔が、一致する場合もあれば、全然違う場合もあるからです。
Q. 山崎進研究室はどんなことを研究してもいいと聞いたのだけど?
まず、法令や倫理に反することは研究できません。
次に、詳しくは情報システム工学実験Ⅳで説明しますが、研究テーマは次の条件を満たす必要があります。
- 意義があること
- 新規性があること
- 卒業研究の期間と設備、予算の範囲で実現可能であること
- 情報工学と関連すること
あと、山崎進が全く指導できないようなテーマでは、卒業研究の妥当性を判断できないので、研究できません。
Q. AIを応用した仕事観を教えてください
AIに対する考え方は、私の中でもまだ固まりきれていなくて、以下で示すのは、暫定的なものであり、今後変わりうるという前提を理解いただければと思います。
昨年の秋ごろに試行したAIプログラミングでは、まだまだだなと思っていたのですが、当時は無課金で試行していました。最近ChatGPT Proに課金したので、試したところ、かなり良好でした。若干の介入は必要でしたが。最近だとCodexとかもありますので、ますますAIによるプログラミングは高度になっていくものと思います。
重課金して、電力消費も厭わずに行うのであれば、多少の熟練者による手引きは必要だとは思いますが、基本的には大抵のアプリケーションはAIで開発可能なのでしょう。
それを踏まえた時に、私の今の時点での関心事は次のとおりです。
1つ目は、クラウドAIに頼らず、低電力で自律的にAIによるソフトウェアの開発・保守・運用が可能か?という点です。もし数W程度でも実現できるとなれば、応用可能性が広がります。たとえば、ボイジャーのような地球から遠く離れた宇宙機でも、地球と交信せずにソフトウェアの開発・保守・運用が実現可能ということであれば、深宇宙探査や恒星間航行に応用できます。
2つ目は、何か具体的に作りたいもの、実現したいことのイメージがある人が、どんどん力を得ていく世の中になるだろうということです。幸い、私には、今、作りたいもの、実現したいことのイメージが具体的にあります。それを事業化する構想もあります。
3つ目は、ソフトウェア開発を行う会社は、今後、少数精鋭化していくだろうということです。並の新卒には厳しい世の中になりそうです。新卒でいながらにして、高い技術力を求められる世の中になっていくだろうと思います。
4つ目は、AIが生成した結果に責任を取れるようになる必要があろうということです。確かなものを作ったのかどうか、意図通りのものを作ったのかどうかという証拠を確保して積み上げていくことが、これまで以上に重要になるんじゃないかと思います。
以上はソフトウェアエンジニアを想定した仕事観ですが、それ以外の職業でも、何かしら変容を要求されるものと思います。
Q. どのくらい具体的に研究テーマを決めて研究室配属に臨めば良いのですか?
具体的にやりたいことがあるならば、それをストレートにぶつけてもらえたらと思うのですが、 仮に具体的に何も考えていないというのも、まだ全然大丈夫です。
大雑把に、どの分野のことに興味があるとか、逆に何は絶対にやりたくないとか、 そのくらいの漠然としたものでも構いません。
それを私、山崎進に相談してもらえれば、どの研究室だとこういう感じの近そうな研究があるとか、 そういう話ができますよ。
山崎進研究室では、情報システム工学実験Ⅳで、漠然とした方向性から、だんだん具体的にしていきます。
Q. 山崎進研究室の過去の卒業研究テーマには、どのようなものがありますか?
そういう人は、ぜひインタビューを申込んでください。歴代山崎進研究室卒業生の研究テーマから、君たちの関心事に近いものや関連するものを紹介しますよ。
Q. 自分の興味がまだはっきりしていなくても、この研究室を希望してよいですか?
そうした人が研究室の同学年に1人2人いても良いのではないかなと思っています。
Q. 配属希望者が多い場合、どのように選抜されますか?
今年から新しい方法で研究室配属することになったので、どんな感じで決めていくことになるのか、教員も手探りです。
希望者のみなさんに関する情報が多ければ多いほど、選びやすくなるというのは事実なので、できる限り手を尽くして希望者の情報を集めることになるかなと思います。単純に成績だけを見るのではなく、面談をまだしていなければ面談をするようなアポイントメントも取るでしょうし、自分が担当した授業科目の成果物もチェックするでしょう。同僚の先生方から聞き込みもするでしょう。
Q. 山崎進研究室では宇宙について研究していると聞いたのだけど?
はい、しています! ぜひ、研究室インタビューを申し込んでください!
Q. 山崎進研究室では半導体設計の研究ができると聞いたのだけど?
はい、できます! ぜひ、研究室インタビューを申し込んでください!