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積極的に失敗させよう〜プロジェクト学習を成功させる3つの教授方略

田原さんの「成功と失敗を見届ける覚悟がLearningできる場を創る」という記事に呼応してブログを書きました。

Learningにおいて最も大切なのは、トライアル・アンド・エラーすることができる場です。 うまくいくかどうか分からない状況でチャレンジすることこそが、成長につながるのです。

私も試行錯誤(トライアル・アンド・エラー)の体験,とりわけ失敗を恐れずに積極的にチャレンジすることがとても大事だというのに強く共感します。失敗した経験が少ないと,ちょっとした失敗ですぐに挫折してしまう打たれ弱いマインドになってしまいます。そういう失敗を恐れるマインドだと,積極的にリスクをとって新しいことに挑戦できません。現代日本に閉塞感を感じているとしたら,そういうリスクを回避する社会の雰囲気に起因するのではないでしょうか。

話を学習に戻すと,このような失敗を恐れない試行錯誤の体験は経験学習の観点からも有用であると言えます。経験学習入門には,経験学習すなわち経験から学ぶことで学習効果を高めるには,次の3つの要素が重要だとまとめています。

1.ストレッチ: 問題意識を持って,新規性のある課題に取り組む

2.リフレクション: 行為を振り返り,知識・スキルを身につけ修正する

3.エンジョイメント: 仕事のやりがいや意義を見つける

失敗を恐れずに挑戦するというマインドは,この中の「ストレッチ」に直結します。それができるようになるためには,挑戦するための土台,すなわち試行錯誤する場が重要な鍵だと経験学習入門では説いています。

田原さんのブログ記事に戻りましょう。

しかし、子どもや、生徒に対してとなると、別の難しさが生まれます。 「失敗しないで、成功させてあげたい」 という気持ちが生まれてしまうのです。

田原さんのおっしゃるように,学習者に試行錯誤をさせることは,指導者にとってはなかなか難しいことだったりします。

この「失敗から学ばせる」ことと「失敗しないで成功させたい」という思いのジレンマは,卒業研究指導や,経験学習の代表的な教授方略の1つ,プロジェクト学習 (PBL: Project-Based Learning)においても,しばしば起こりがちです。とくにプロジェクトが1回こっきりだと,何としても成功させなくてはという圧力がかかりがちです。そのような状況下では,失敗を恐れてしまい,有効なチャレンジに結びつきません。

では,どのようにしたらいいのでしょう? プロジェクトが1回こっきりだから「成功しなければ」という圧力がかかるのです。なので,プロジェクトを数回繰り返して,失敗して学習する機会を多くすることが第1のポイントです。

次に,経験学習入門でいう「リフレクション」すなわち,失敗から学ぶふりかえりの時間をプロジェクトの中に織り込むことが第2のポイントです。ありがちな PBL では,プロジェクト遂行ばかりに頭がいってしまい,プロジェクトを終えた後に十分なふりかえりの時間を確保していないことが多いです。それでは有効な学習に結びつきません。

もちろん田原さんの主張するように,失敗した時に致命的なことにならないように支援することが大事なことは言うまでもありません。

この3つをプロジェクト学習に取り入れることで,失敗を許容し失敗から学ぶことができるようなマインドが生まれてきます。ぜひ授業づくりに取り入れてみてください!

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