ロールモデル設定の極意〜「なりたい自分」は学生の興味や強みの延長線上に
学生が意欲的に学ぶようにするためには,ロールモデルを与えることが有効な方法の1つです。今回はロールモデルを設定することについてお話ししたいと思います。
ロールモデル=「あこがれのあの人」だと行き詰まる理由
ロールモデルといえば,しばしば第一線で活躍しているOB/OGを連れてくることがあります。「あこがれのあの人みたいになりたい!」と思わせて学習意欲をかきたてる作戦です。
でも,そのロールモデル,本当に有効でしょうか? 実は ロールモデル=「あこがれのあの人」だと後で行き詰まる ことがしばしばあります。なぜでしょう?
それは 「あの人は私とは違う」「私はあの人みたいになれない」 と思ってしまうからです。
- 価値観やタイプが異なるといった理由で,そもそもロールモデルに食いつかないことがあります。
- ロールモデルがあまりにも偉大すぎると最初から萎縮することもあります。
- ロールモデルと同じやり方を深く考えずにそっくりそのまま真似ようとして失敗することもあります。そういう挫折を経て,結果としてこのような逆効果になることがあります。
- 年数を経てある程度成功実績を積んだとしても,そのときにはロールモデルはロールモデルで成長するので,いつまで経っても追いつけないということになります。
ロールモデルを学生の興味や強みの延長線上に設定しよう
そこで私は別のアプローチを採っています。
ロールモデルを「他人」に設定するのではなく, 「もし最大限成長したら」という学生本人の潜在的可能性 に設定します。すなわち「学生が興味を持っていること」「学生が強みとして持っていること」を統合したときに,どんな「なりたい自分」になるのかを引き出してあげて,そのイメージをロールモデルとして設定するのです。
そうすると先ほどの問題は次のように解消されます。
- 学生自身から引き出したロールモデルなので,価値観やタイプの不一致はありません。
- あくまで学生自身の延長線上なので,偉大すぎるのでできないと思い込むような萎縮は起こりません。
- ロールモデルになるには学生自身のオリジナルアプローチをとる必要があるので,常に自分にとって最善の方法を考えて行動するようになり,失敗のリスクが減ります。
- 実在しない想像上のロールモデルなので,適切かつ確実に取り組めば,いつかはロールモデルに追いつく,すなわちなりたい自分になることができます。
そのためにすべきことは?
強みx教育研究室では,学生が意欲的に学ぶための「なりたい自分」ロールモデルを「あこがれのあの人」よりも「自分を極限まで伸ばしていったらどうなるか」に設定しています。
このようなロールモデルを設定するにはどうしたらいいでしょうか? 私たち強みx教育研究室で取り組んでいるのは次の記事で紹介されているアプローチです。
ぜひ取り組んでみてください!