山崎進研究室紹介2024
2024年度の学部研究室配属に先立ち,研究室紹介2024を公開します.
超要約
次のことに興味がある人は是非山崎進研究室への入門を検討してください.
- CPUを作ること
- FPGAをいじること
- コンパイラを作ること
- Linuxカーネルのビルドをいろいろ試すこと
- Linuxのデバイスドライバを作ること
- RTOSいじってみること
- とにかく速いコンピュータやソフトウェアを作ること
- 機械学習の基盤を作ること
- 最速の高速インターネット通信を作ること
- 物理/電気回路/電子回路/論理回路/ソフトウェア/ネットワークのシミュレータを作ること
- 月面探査車や衛星向けのコンピュータ・ソフトウェアを作ること
- 衛星・宇宙機向けエッジAIの事業化
- 月・火星の産業化
- 宇宙大航海・恒星間宇宙飛行の実現
山崎進研究室で取り組んでいる研究テーマ
(大学院外部受験生の募集についての同名の節より再掲)
第15回ACRiウェビナー:X界隈のFPGAエンジニア集合!にて,「FPGAによる宇宙機向け高速画像処理・信号処理・機械学習とアップデート機構の実現」という講演タイトルで発表しました.
この発表にて,現在取り組んでいる,宇宙機向けのFPGAベースのコンピュータ・システムに求められる要件の概要を示しています.今後,数年間かけて,このFPGAベースのコンピュータ・システムに,高性能並列エッジ・コンピューティングを行えるような,領域特化アーキテクチャとソフトウェアを構築していきます.
また,北九州未来創造セミナー2024第1回にて,「宇宙機とYAOKIのビジネスの技術的課題の解決」という講演タイトルで発表しました.
この発表にて,月面探査車YAOKIに搭載するコンピュータシステムとソフトウェアについて株式会社ダイモンと共同研究をすることになった経緯について説明しています.
関連するQiita記事を紹介します.これらは断片的に研究構想を示しています.
詳細は面談の際にお話ししますが,宇宙機で必要な機能性や品質を実現するようなFPGAロジックとソフトウェアに関しては,学術的な基礎研究の余地が大いにあり,開発スキルが伴うのであれば,修士論文・博士論文のテーマとして取り組むのに,適切な難易度であり,かつ社会的インパクトも大きいと考えております.
Personal Vision
一方で,2017年以前の山崎進研究室では,山崎進研究室のひみつ〜個性に合わせた長所を伸ばす研究指導で紹介していたように,「学生のライフワークを見つけること」にフォーカスし,学生に自由に研究テーマを考えさせる方針をとっていました.
山崎進研究室の運営方針の大転換期で示したように,この「学生に自由にやらせる」方針と,近年研究室に求められている方向性に齟齬があることに,この数年間,ずっと悩み続けてきました.
ただ,1つ気づいたことがあります.
確かに,私が最も望んでいる学生像は次の両方を満たす学生だと正直に思います.
- 前述の「山崎進研究室で取り組んでいる研究テーマ」に大いに知的好奇心と興味を持っており,自分でもやってみたいと望んでいる
- かつ,それが自分のライフワーク,将来の仕事であると確信している
しかし,残念ながら,そのような学生に今まで出会ったことはありません.
現実に目の前に現れる学生は,典型的には次のような学生像のいずれかに合致するのではないかと思います.
- 自分には心からやりたいこと(Personal Vision)があり,その方向に突き進みたいと願っている.その方向性は,私がやりたい方向性とは完全には一致していない.
- 自分には特にやりたいことはない.自分が本当にやりたいことは何かを見つけられるといいなあと願っている.
- 自分には特にやりたいことはない.やりたいことを探す意欲もない.
2017年以前の私の方向性では,それぞれの学生に対し,次のようにアプローチしてきました.
- 応援する.助言が求められれば助言するが,特にこちらから口出しすることはしない.
- 学生のやりたいことを引き出そうとする.引き出した後は,1のアプローチに沿う.
- 意欲を引き出そうとする.しかし,私の力量不足で,このタイプの学生の意欲を引き出すことに成功したことはほとんどない.
ジレンマ
このうち,2のタイプの学生について,2017年以降の試行錯誤において,自分の研究テーマを与えるということを試みてきました.
しかし,残念ながら,この方法がうまくいく確率はそう高くなく,さらに悪いことに,うまくいかないときに,私のストレスが極度に高まることがわかりました.
気づいたことというのは,2のタイプの学生には,2017年以前のアプローチで臨むのがお互いのためであるということです.
もしそうすると,私の本当にやりたい研究テーマに取り組む研究室学生は,ほぼ居なくなるという結論になります.なぜならば,現実に目の前に現れる学生の大多数は,私の本当にやりたい研究テーマに特に興味がないからです.
そのジレンマについて,2024年になってからずっと考えてきました.次の究極の二択のどちらを取るかというジレンマです.
- 学生のやりたいことを引き出そうとする研究室に戻す.そうすると,大学院修了要件を満たすのは難しく,かつ,学生の業績を研究室の業績として積み上げることはほぼできない.その代わり,心の平穏を得られる.
- 学生に私のテーマを与える.そうすると,極度のストレスを抱える可能性が少なくない.その代わり,大学院修了要件を満たしやすくなり,かつ学生の業績を研究室の業績として積み上げることも可能になる.
悩んだ末,選んだ結論は,1です.すなわち,自分の心の平穏をとりました.
学部生研究室配属の選考の優先順位
前述の議論を踏まえると,私にとって合理的な選考の優先順位は次のようになります.
- 「山崎進研究室で取り組んでいる研究テーマ」に大いに知的好奇心と興味を持っており,自分でもやってみたいと望んでいて,かつ,それが自分のライフワーク,将来の仕事であると確信している学生
- 自分には心からやりたいこと(Personal Vision)があり,その方向に突き進みたいと願っていて,かつ,その方向性は,私がやりたい方向性とは完全には一致していない学生,または,自分には特にやりたいことはないが,自分が本当にやりたいことは何かを見つけられるといいなあと願っている学生
- 自分には特にやりたいことはなく,やりたいことを探す意欲もない学生
2,3の本音を引き出すには時間がかかるので,選考の基準とするには相応しくないかもしれません.
また,卒業要件を満たすために必要な単位数が多い学生について,今まで特に成績等を見ることなく選考していたのですが,今までの経験をふりかえると,そのような学生はどうしても卒業研究にかけられる時間が少なくなりがちなので,指導負担が大きくなることに気づきました.合理的な選考の優先順位を踏まえると,卒業要件を満たすのに必要な単位数も考慮に入れておく必要があると痛感しました.
さらに,「山崎進研究室で取り組んでいる研究テーマ」に直接関連する授業科目の成績が良い学生は,「山崎進研究室で取り組んでいる研究テーマ」に関心を持つ可能性が高いということも言えるかと思います.
それを踏まえて,私にとって合理的な選考の優先順位を再考すると次のようになります.
- 「超要約」「山崎進研究室で取り組んでいる研究テーマ」に大いに知的好奇心と興味を持っており,自分でもやってみたいと望んでいて,かつ,それが自分のライフワーク,将来の仕事であると確信している学生.
- 次の要件を満たすこと
- アルゴリズム入門,データ構造とアルゴリズム,論理回路,プログラミング論の成績が良好であること
- 次の要件を満たすことが望ましい
- 卒業要件を満たすこと
- もし履修していれば,コンピュータシステム,形式言語とオートマトン,コンピュータアーキテクチャ,集積回路設計の成績が良好であること
- 次の要件を満たすこと
- 次の要件を満たす学生.
- アルゴリズム入門,データ構造とアルゴリズム,論理回路,プログラミング論の成績が良好であること
- 卒業要件を満たすのに必要な単位が卒業研究のみの学生
- 履修済みである場合には,コンピュータシステム,形式言語とオートマトン,コンピュータアーキテクチャ,集積回路設計の成績が良好であること
- 次の要件を満たす学生.
- アルゴリズム入門,データ構造とアルゴリズム,論理回路,プログラミング論の成績が良好であること
- 履修済みである場合には,論理回路,コンピュータシステム,形式言語とオートマトン,コンピュータアーキテクチャ,集積回路設計の成績が良好であること
- 卒業要件を満たすのに必要な単位が,卒業研究のほかに必修ではない授業科目2科目分までであること
- 卒業要件を満たすのに必要な単位が卒業研究のみの学生
- 卒業研究着手要件を満たしている学生
- 1-5以外の学生
もちろん,完全に上記の基準に沿って選考するとは限らないとは思います.たとえば1だと主張して優先的に研究室に配属されながら,実際にはそうでないというようなことも考慮する必要がありそうです.また,成績の優先順位の付け方についても,吟味が要ると思います.
しかしながら,今までの山崎進研究室の選考基準と異なり,成績を基準に入れる方針にすることにはしたいと思います.
研究室でのゼミ活動について
2023年度までは,ゼミをできるだけ短時間に済ませるように心がけていましたが,それでは修士論文に求められる要件を満たすことが困難であるため,2024年度からは,普段のゼミ活動でのディスカッションを重視する方針に転換します.
具体的には,次のようにしたいと思います.
- 週一度,進捗確認を行うゼミを実施する.毎週全員進捗を報告する.事前準備としては,Slackに進捗を記載することを求める.
- 各自の研究内容についてディスカッションを行うゼミを実施する.月に一度程度の頻度で順番が回ってくるようにスケジュールする.事前準備としては,論文形式の予稿,プレゼンテーションスライド,もしくはその両方を求める.
- ディスカッションを行うゼミを聴講する学生には,ゼミが終わった後に,ディスカッションで得たことで,自分の研究に取り入れられそうな点について,Slackで箇条書き程度のレポートを行うことを求める.
ただ「ディスカッションしましょう」としても,なかなか意見が出てこないものです.今まで培った教育の技術を総動員して,気軽な雰囲気で,楽しく意見を述べ合えるような空間を空間を創っていきたいと思います.また,そのような意見を述べ合う環境づくりの技術を研究室学生にも伝授していこうと思います.
学生の学会発表について
指導教員である私の望みとしては,もちろん,学生に学会発表をしてもらいたいと願っています.学会発表をする経験を通して,多くのことが得られます.
一方で,前述のように,「超要約」「山崎進研究室で取り組んでいる研究テーマ」に取り組む場合を除いて,研究室の基本軸として2017年以前の「学生がやりたい研究テーマを自由にできるようにする」に戻そうとしています.
山崎進研究室の運営方針の大転換期で示したように,1人の学生が研究テーマを新規に立ち上げる場合で,十分な新規性を確立した上で,学会発表や論文誌への投稿まで行えるケースは,今までの経験上,ほぼありませんでした.現在までの実績としては,査読なしの国内学会・研究会での発表にとどまっています.
すなわち,国際会議や論文誌での研究発表を行うことで,大学院の学費免除や奨学金の返還免除を狙う場合には,極めて不利になることを意味するということを,ここに告知しておきます.
その代わり,自分が本当にやりたい研究を新規に立ち上げる経験は,ライフワークにつながる得難いものと思います.
前述の「超要約」「山崎進研究室で取り組んでいる研究テーマ」に取り組む場合については,博士後期課程に進学した場合に十分な業績を学会発表や論文誌への投稿まで積み上げられるように,研究環境を整えていきたいと思っております.前述のように,宇宙機で必要な機能性や品質を実現するようなFPGAロジックとソフトウェアに関しては,学術的な基礎研究の余地が大いにあり,開発スキルが伴うのであれば,博士論文のテーマとして取り組むのに,適切な難易度であり,かつ社会的インパクトも大きいと考えております.
ただし,まだこれも残念ながら,このテーマを希望して博士後期課程まで臨みたいという学生が今までいなかったため,いわゆる「ファーストペンギン」になる必要があることを,ここに告知しておきます.
山崎進研究室での卒業研究テーマ立案までの流れ
情報システム工学科では次の項目からなる卒業論文研究計画書という標準様式が用意されています.
- 学籍番号
- 氏名
- 指導教員
- キーワード: (1つ以上のキーワード)
- 題目(変更しても良いのでできるだけ具体的に記入する)
- 背景・目的(社会的意義や科学的見地から、あなたの研究は、どのような位置付けであり、どのような意味を持つかについて記入しなさい。)
- 従来調査(研究をはじめるにあたり、どのように従来研究の調査をおこなうかを記入しなさい。(研究室の先輩の研究を調べる、図書館で調べる、ネットで調べるなどの調査方法の列挙のみは不可。具体的に従来研究を列挙する。))
- 提案内容(本研究で提案・実証したい内容について記入しなさい。調査研究の場合には、どのような調査を行うことによって、何を明らかにするかについて記入しなさい。(「新しい手法を提案する」だけは不可。後に修正していいので、現在考えられる範囲で具体的に内容を記述する。))
- 新規性(提案内容は、どのような新規性や独創性をもつと考えているかを記入しなさい。調査研究の場合には、どのような視点に新規性や独創性があるのかについて記入しなさい。(指導教員に相談して記入する。))
- 実証方法(提案内容の有効性・妥当性をどのように実証するかについて記入しなさい。調査研究の場合には、調査の客観性・合理性をどのように考えるかについて記入しなさい。(「プログラムを書く」「調査する」、だけは不可。計算機シミュレーションや測定によって何を明らかにするかまで述べる。))
- 指導教員コメント(研究計画の遂行について、どのような指導を予定しているかを記入してください。)
山崎進研究室では,GitHub上でテンプレートとしてこの様式を用意しています.この様式に沿って,卒業研究のテーマを立案したり,既存研究を整理したりします.
山崎進研究室では,2024年度から学生が研究テーマを立案するように戻しました.おおよそ,次のような順番で研究計画書を記述していきます.
- 自分のやりたい研究テーマが思いつかない場合には,山崎進研究室のひみつ〜個性に合わせた長所を伸ばす研究指導のアプローチに沿って,指導教員と相談しながら,自分のやりたい研究テーマを引き出していきます.自分のやりたい研究テーマの方向性を思いついたら,2に進みます.
- 自分のやりたい研究テーマを特徴づけるようなキーワードを考えて,キーワードの欄に記入していきます.このキーワードは仮のものです.次の手順で,的確な専門用語に表していきます.
- 2のキーワード1つ1つについて,IEEE(アイトリプルイーと読みます)が提示しているIEEE Taxonomyというキーワード集の中から,より的確なキーワードに変換していきます.また,IEEE Taxonomyを眺めて,気になったキーワードを拾い上げて,キーワードの欄に追記していきます.
- 指導教員の指導を受けて,3のキーワード1つ1つについて,IEEE, ACM, 情報処理学会,電子情報通信学会,日本ソフトウェア科学会の論文検索機能を用いて検索する方法の指導を受け,従来調査に検索方法やURLを記載します.
- 4を用いて論文を検索し,タイトル(題目)とアブストラクト(概要)を読んで,自分が興味ある内容が書かれていそうかを判断していきます.取り寄せられる論文であるならば取り寄せて,Google翻訳の助けを得ながら読んでいきます.卒業論文研究計画書の様式にまとめるのも有効です.読んだ論文は従来調査に書誌情報を記入していきます.またBibTeXの形式で論文データベースに記載していき,引用しながら卒業論文研究計画書に沿って,LaTeXを用いて文献リストを整備していきます.
- もし読んでみて,キーワードが自分の思っていたものと違い,かつ興味があまりないものであるならば,そのキーワードを外すか,より的確なキーワードに変換していく方向で,3に戻ります.
- 読んでいった論文のキーワードの中から,自分にとって興味あるものを拾い上げて追記します.新たなキーワードを足した場合には,4に戻ります.
- 読んでいった論文や参考文献が発表されている論文誌,国際会議,研究会を特定し,それらの中から論文検索していきます.関連するキーワードと論文をより広く深く拾うことができます.この情報も従来調査に加えます.また,その学会に参加・発表する計画を立てます.
- キーワードに挙げられている専門用語を用いながら,自分の研究テーマがどのようなものなのかを記述していきます.
- もし,どのような目的で行うのか,あるいは,どんな社会問題を解決するために行うのかについて,書くことを思いついた時には,背景・目的に記述します.
- もし,従来調査に挙げた先行研究との違いについて,書くことを思いついた時には,新規性に記述します.
- もし,自分の研究テーマのアイデアが,目的に対してどのくらい有効なのか,あるいは妥当なのかを確かめる方法について,書くことを思いついた時には,実証方法に記述します.
- それ以外の自分の研究テーマのアイデアは,ひとまず提案内容に記述します.
- 研究テーマがある程度形になったら,プレゼンテーションの形にまとめていきます.まとめる過程で,卒業論文研究計画書の各項目について,より的確な表現を思いついた時には,修正していきます.
- ゼミでプレゼンテーションして,指導教員や他の学生の意見をもらいましょう.それを踏まえて,より洗練させていきます.
- 指導教員からある程度の完成度を認められたら,指導教員コメントを記載してもらいます.これで第1バージョン提出です!
- 研究を進めていく過程で,随時アップデートしていきます.
山崎進が思う卒業研究のテーマの良し悪しについて
研究の育て方によると,良い研究テーマは意義・新規性・実現可能性の3つを満たしているとしています.
意義には,大きくわけて,学術的な意義と社会的な意義があります.このうち,学生が考えやすいのは,社会的意義です.社会的意義を言い換えると,公益性と言えると思います.つまり,私的な目的ではなく,社会にとって役に立つような研究テーマという考え方です.
もう1つの学術的な意義は,私の理解では,その研究の目的を達成できたとした時に,どれだけ派生的な研究成果を生み出すことができるかという観点だと思います.これは科学の知識体系について熟知する必要があり,卒業研究の段階でそれを考えるのは難しいと言えます.学術的な意義を身近に考えるとしたら,次に説明する新規性になろうかと思います.
新規性というのは,その研究によって新たに明らかになったことが何かということです.学生個人にとって未知のことという意味ではありません.今までの研究(既存研究)で達成されていなかったことが新規性となります.つまり,世界で初めて達成されるようなことと言い換えることができます.
新規性を明示するには,従来調査が欠かせません.すなわち,既存研究とどこが違うかを論じることで,新規性を明らかにしていきます.
卒業研究では,必ずしも新規性を備える必要はないというのが学科の共通見解ですが,従来調査を尽くすことで,既存研究との共通点・相違点を明示して,研究の位置付けを明確化することが求められます.
以上の2つを満たしても,実現可能でないと,研究テーマとしてはふさわしくありません.卒業研究は1年程度以内に完遂するようなものである必要があります.
山崎進の観点では,上記の3つに加えて,自分の本当にやりたいこと,ライフワークにどれだけ近いかがとても重要であると考えています.
山崎進研究室の卒業研究の成績評価の方針
情報システム工学科では,研究テーマが近い研究室を集めて,いくつかのグループにわけて,卒業研究や特別研究(大学院博士前期課程の研究)の発表会・審査を行います.各グループで審査と成績評価の方針が若干異なります.
大学ではSをつける割合の目安に指針があります.おおむね,1研究室につきSが1人程度と思うと良いです.
2024年度に変更した山崎研究室の方針に基づくと,次のような観点が成績評価の指針として考えられます.
- 自立性/自律性/主体性/能動性
- 背景・目的の公益性
- 技術的な挑戦性/習得した知識・スキルの豊かさ/質疑応答の質と量
- 新規性/従来調査の質と量
- 学会発表の経験の有無/適切な発表の場を選んでいるか
- 研究室活動における利己性と利他性のバランス
山崎進研究室に向いている学生像/向いていない学生像
次のような特徴を備えた学生は,山崎進研究室に向いていると言えそうです.
- プログラミングが嫌いではないこと
- 自分で考えようとする人
- 素直に人の意見が聞ける人
- 向上心がある人/理想を追求しようとする人
- 利己性と利他性のバランスが取れている人
その裏返しが,向いていない学生と言えそうです.
山崎進研究室で,いわゆる「ガクチカ(学業で力を入れていること)」体験ができるか?
山崎進研究室で,いわゆる「ガクチカ(学業で力を入れていること)」体験ができるか?については,能力と知的好奇心次第と回答します.
山崎進研究室は,共同研究企業を複数持ち,研究プロジェクトも多数持ちますが,学生に能力がある程度以上ないと,企業からの共同研究案件に加えることができません.また,その企業の事業やプロジェクトに興味・関心が無いのでは,うまくいかないと思います.
一方で,卒業研究等をしっかりやってもらえさえすれば,自由時間に,自由な活動をして良いと思っています.たとえばチャレキャラへの参加をしてもらっても構いません.ただ,それをするにも,卒業研究等をしっかり遂行できる能力がないと,卒業が危ういと思います.
学会発表という点だと,前述のように,自分のやりたい研究テーマで取り組んだ場合,国内学会が中心になる可能性が高いので,不利かもしれません.しかし,研究テーマを一から立ち上げた経験をアピールしたら良いかと思います.
2024年度には研究開発助成金申請をした研究室学生の実績もあります.このような経験はガクチカとしては最上クラスかもしれません.