ZACKY's Laboratory 山崎 進 研究室 Page Topへ

2024年1〜3月の研究目標の達成状況ふりかえり

2024年1〜3月の研究目標について,達成状況を中心にふりかえりました.

第1回→第0回宇宙に関する共同研究開発の可能性ワークショップの開催準備を進める

2024年の1月から3月に実行委員会を,何と10回も重ねました!

当初は2024年6月に第0回を開催する方向で準備を進めていたのですが,諸事情あって,現在は2024年11月に第0回を開催する方向で,引き続き,検討を進めています.

FAIS衛星データにかかる新技術開発「衛星オンボードでの高速画像処理・信号処理・機械学習とアップデート機構の実現」をまとめ,次につなげる

FAIS衛星データにかかる新技術開発「衛星オンボードでの高速画像処理・信号処理・機械学習とアップデート機構の実現」は,2023年10月にスタートして,2024年1月末日に完了し,FAISに成果報告書を提出しました.

半年足らずの極めて短期間ではありましたが,次のような成果を挙げました.

  • Zybo Z7-10へのNervesの移植を行いました.
  • Elixir DSA (Elixir Chip) の基本原理を特許出願しました(特願2024-020268「情報処理装置、命令並列実行方法及びプログラム」2024年2月14日出願).
  • YAOKIボードの要求仕様を定めることができました.
  • 事業化に向けたネットワーキングを十分に実施することができました.
    • 事業化に向けたマーケティング調査等,大いに前進しました.
    • 宇宙に関する共同研究開発の可能性ワークショップを北九州市内で開催するイニシアティブが取れました.
  • 2024年2月の超小型衛星利用シンポジウム2024で発表する他,FAIS主催の北九州未来創造セミナーやCQ出版FPGAマガジン特別版No.2での発表を行うなど,様々な機会で発表をしました.

一方で,初期目標に掲げていたRISC-VソフトコアCPU上でLinuxカーネルを動作させる件については,計画時点で高リスクと判断したため2種並行して実施することとしてリスク分散を図ったが,2種とも期待通りにLinuxカーネルを実行させることができなかったために,一部未達成となりました.

学会等での発表

今後の課題

株式会社ダイモンでは,2026年に超小型月面探査車YAOKIを100機,月面に送り込むことを北九州未来創造セミナー2024第1回で発表しました.

すなわち,本事業のYAOKIボードとNerves, Elixir DSAなどの成果物を2026年までに月面上における実用水準にまで実用化を進めていく必要性が出ました.様々な代替選択肢も踏まえながら,この2026年の極めてハイレベルな目標からのバック・キャストで,少しでも現実味のある研究開発と事業化の計画にしていくよう,見直しているところです.

このハイレベルな目標を達成するには,技術的問題点も多くありますが,それ以上に経済的問題点が大きいです.すなわち,研究開発から実用化までをスピーディーに進めていくための莫大な財源をどのように確保するかという問題を解決することが急務です.

提案システムを月面で動かすためにクリアする必要がある主要な技術的問題点としては,FPGAロジックをNervesでアップデートできるようにすること,YAOKIに求められる機能をNervesに移植すること,機械学習・画像処理を行う仕組みを実装すること,提案システムが宇宙環境に耐えられるのかの試験をクリアすることなどが挙げられます.

これらをクリアした場合には,本事業の主題である衛星への応用は比較的容易です.

いずれの技術的問題点についても,克服するための方針はすでに立っています.そのため,繰り返しとなるが,これらの研究開発から実用化までをスピーディーに進めていくために莫大な財源を必要とするため,その確保を図るという経済的問題点を解決することが,より本質的な問題であると,改めて強調します.

千葉大学環境リモートセンシング研究センター共同利用研究「SAR信号処理で用いるFFT/逆FFTの高速化」をまとめ,科研費基盤Cはじめとして,次につなげる

千葉大学環境リモートセンシング研究センター共同利用研究「SAR信号処理で用いるFFT/逆FFTの高速化」について,第26回CEReS環境リモートセンシングシンポジウムにて「Cooley TukeyアルゴリズムのSIMD並列化」というタイトルで成果発表を行いました.

現在,先行研究調査を入念に行っているところであり,それを踏まえて2024年度に適切な論文等の成果公開・発表の機会を持ちたいと考えています.

また,科研費基盤Cでは,前述のFFTに関連する研究成果のほか,新たな技術シーズをいくつか創出しました.それらについても,2024年度に適切な論文等の成果公開・発表の機会を持ちたいと考えています.

引き続き,FAIS旭興産グループ研究支援プログラムで研究開発を進めているPelemay BackendのCI環境を整備する.また脆弱性の研究成果についてまとめる.

FAIS旭興産グループ研究支援プログラムで研究開発を進めているPelemay BackendCI環境については,時間を見つけて,少しずつ整備を進めています.

また,脆弱性の研究成果について,次の研究室学生の修士論文でまとめることができました.

  • 北原 滉大: Elixir HTTPサーバーBanditの脆弱性調査, 2023年度修士論文,北九州市立大学大学院国際環境工学研究科情報工学専攻融合システムコース, 2024年3月

ElixirとNervesの内部について,より理解を深める

Elixirの内部について理解を深め,Elixir DSA (Elixir Chip) の基本原理を特許出願しました(特願2024-020268「情報処理装置、命令並列実行方法及びプログラム」2024年2月14日出願).

また,Nervesについての理解も深め,次の成果を得ました.

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