私が Medium を書き始めた理由
大学教師が一番時間を割いて頭を使う作業って何だと思う? それはね,作文することなんだよ。論文を書くことだったり,教材や教科書を書くことだったり,プレゼンテーションを書くことだったり,研究申請書を書くことだったり。意外だった?
ただ書けばいいってもんじゃないんだ。相手にきちんと伝える必要がある。そのためには論理をきちんと組み立てなくちゃいけないし,それでいて情熱を込めることも意外と大事だったりする。
余談だけど,私の最近の論文は論理の中に熱い情熱を込めている。たとえばこの論文 http://zacky1972.github.io/blog/2015/09/11/education-vision-JSSST-rePiT.html,タイトルからして「ソフトウェア開発の教育のビジョンを語ろう」とか,普通の論文とは熱量がだいぶ違う。
何事もうまくなるには練習が必要。もちろん文章を書くのにも練習がいる。Medium を始めたのも,論理の中に情熱を込めた文章をたくさん書く練習をしたかったんだ。言ってみれば素振りだね。
あと2014年から大学の広報の仕事に取り組み出した。研究テーマとしてもウェブメディアには興味大ありだった。だから Medium で広報とウェブメディアの「素振り」をしたかったというのも理由だね。
それに文章を書くことはもともと好きなんだ。中学の時に,部活とは別に授業の一環でクラブというのがあったのだけど,私は文芸クラブというのを選んで3年間 SF 小説を書いていた。
また余談だけど,文芸クラブに入って最初の年は,私と部長,顧問の先生の3人を除けばみんな女性という,人生で一番女性比率の高い環境だった。でも何もフラグは立たなかった。そういうのにうとい中学生だった。
私が書きたかった小説は,三國志とか(当時は知らなかったけど)銀河英雄伝説とかグインサーガみたいな長編小説だった。私は設定とか導入とかは比較的うまかった。普通の人が思いつかないような面白い設定を考案し,書き出しからものすごい勢いでストーリーが展開する感じ。でも割とすぐ息切れして未完で終わる。ビッテンフェルトみたいだ。私は未だに大作を書くのはそれほど得意ではない。そんな才能は持ち合わせていないんだろうね。
そういうわけで,Medium は私にとって「素振り」だ。だから1つの記事にかける時間は30分までと決めている。思いついた素材をざざっと書く。推敲はほとんどしない。書き終わったらすぐにシェア。そんなスタイルで続ける。